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語学

22.01.24 今月のNPR(アメリカ公共放送)リスニング状態

またまた今月も22日、満月による大潮の時がやって来て私の血の回りも普段よりよくなった。おかげで脳細胞の開発が一段と進んだようだ。気分でなく意識上に手応えがある。まだこの歳になっても脳は進歩しているのだ。だからいつものNPRリスニング感度もまた少しよくなった。実際に聴いた昨日(1月23日)の放送英語の一部を下記してみよう。  After a shaky December, when as many as half of Broadway’s shows were shut down because of breakthrough COVID cases, things are on a more even keel; there were no canceled performances on Broadway last week. But the winter…  全部で39語。1秒3語としてこれらを何も見ずに13秒で聞き理解しなければならない。 https://gyazo.com/f2176fb3255a842a588e792603996d12 完全でないにしても7割方は聴き上げ大意は今取れている。『英語耳は中年からでも進歩する!』(www.amazon.co.jp/dp/B0967ZN42Q/ www.amazon.co.jp/dp/B096BLYCY8/ https://booklog.jp/item/1/B096WWNKRL の拙著でも書いたように、これは読む場合もリスニングと同じスピードとリズムで理解しなければならないし、またリスニングができればできるはずのものだ。 上記を日本語に訳すと下記のようになる。 「12月はまだ荒れ模様とはいえ、コロナが少し収まったおかげでブロードウエイ興行の半分程度が休業しただけで、事態はまだ順調だった。だから先週は興行のキャンセルもなかった。しかし、冬場は…」この日本語ならば13秒で聞きも読みもらくらくと出来るだろう。もちろんブロードウエイがどのようなところか知っていることが前提だが。 英語もこれと同じスピードで理解できないと、NPRが聴き取れたとは言えない。 実際この英文を目で追って数回読んだ程度では13秒で理解することはできないかもしれない。それを耳で一回聞いただけで理解するのだから驚くだろう。しかし練習に練習を重ねればできる。できるのは無意識に依存するからだ。意識に頼っていてはできない。ピアノの名手がベートーヴェンの難曲を弾けるのは、無意識にできるまで練習に練習を積むからであって楽譜を見ながら意識してできるはずのものではない。無意識の開発こそがキーである。 無意識とはわれわれが自覚することのできない神経細胞のネットワークだと私は思う。単語と単語の間を繋ぐ何かが無意識に形成されて、その何かが取り持つ縁で単語間に意味が生じるのだろう。その何かが無意識に形成されない限り、単語と単語は引っ付かない。単語が他の単語と引っ付いて複合的な意味ができ、それがまた他の複合的なものと高次複合し、一層複雑化する、このように複雑さに複雑さを重ねて最後に一貫した文脈ができるのだろう。 以上のように書くと難しく感じられるかもしれない。そこで私はこの過程を米とご飯の関係に見立てて話することにする。ご飯作りには炊飯器に米と水を入れ一定時間、熱で蒸す必要がある。その過程が全部終わるとうまいご飯が出来上がる。条件が完全に満たされれば、米は全部デンプン質となって白いご飯にまとまる。しかし水が十分でなかったり、所定時間が経っていなければ、固いご飯やねちゃねちゃのご飯になってしまう。 NPRの英語リスニングはこの炊飯に似ている。単語は米、脳みそは水、リスニングそのものが熱で、単語(米)が脳みそ(水)とともにリスニング(熱)で一定時間刺激される(蒸される)と単語が全部意味(デンプン質)に変化し、最終的に完全理解(うまいご飯)ができるようになる。条件が揃わなければ、不完全理解(固すぎたりねちゃねちゃのご飯)になるのは当然、今日現在の私の理解状態は七部から八部炊きぐらいであると言えそうだ。完全理解にはまだしばらく要しそうだ。

2022.01.09 赤ちゃんネズミの泣き声と人間の発話

昨年5月にアマゾンから発行した自著、『英語耳は中年からでも進歩する!』のp60でシラブルの征服が音声英語の鍵」と述べ、p84で「意識と呼吸の関係について」述べました。  これに深く関係する最新の研究成果が昨日(1/8)アメリカ公共放送(NPR)から一般ニュースとして流れました。それをかいつまんで以下に説明します。記事の見出しは「What crying baby mice could teach us about human speech」(ネズミの赤ちゃんの泣き声が人間の発話について語ること)とあります。以下、要約して参考に供したいと思います。    生まれたばかりのネズミの赤ちゃんも泣くらしいです。その泣き声は呼吸にシンクロナイズしていて呼吸に合わせて上がったり下がったりリズムカルなもののようです。泣き声を出すのは母ネズミと離れた時で、泣き声が母ネズミには子ネズミからのSOS信号と映るようです。  子ネズミが泣き声を出すのはそれができる生得的な能力があるからで、脳幹に泣き細胞のネットワークがあるからです。それが呼吸とシンクロナイズするというのですから、泣きの細胞ネットワークと呼吸の細胞ネットワークとに重なる部分があるはずだと仮定し、実際に実験してみると、仮定通り一ヶ所に共通部分があったそうです。そこで重なる部分を切り取ってみると息は普通にしていますが、泣き声はしないか、してもリズムがなかったようでした。  ネズミの脳と人間の脳はもちろん違います。しかし人間の赤ちゃんが泣くのもネズミの場合と同じ原理に基づいているようです。さらにネズミが泣く時のいろいろな器官の動きを細かく分析してみると、そのなかに人間の発話と共通する部分があり、それが呼吸に関係していることがわかりました。  つまり泣きのリズムと同じように、人間の発話にもリズムがありました。一呼吸している間にいくつのシラブルをリズミカルに言えるか、これが発話の基本原理のようです。このシラブル音を統合して単語音とし、それらを統合して意味を取る。その全過程を行うためにはそれができるだけの脳細胞を後天的に徐々に発達させなければならないとあります。これは聞く側の理解リズムにも言えます。つまり発話と受話はシンクロナイズしており、発話原理は理解原理でもあるからです。  このニュースを今日見聞きして、あらためて私は思いました。「何だ、オレが今までやってきたことではないか」まさにこの脳細胞ネットワークの段階的開発こそ私がやってきことだったと、これがこの最新の研究で裏付けられて大変嬉しくなりました。

英米語リスニング  今年の12月22日もついに過ぎてしまいました。私にはこの毎月の22日が待ち遠しい日なのです。 この日は毎月頭の血の巡りがよくなって英米語リスニングが一段と冴えるからです。この日は月の引力が最大となり海で大潮が見られるように私の頭でも引力の力で神経細胞が大きく刺激され、はっきりとリスニングの上達ぶりが自覚できます。 もう長年、英米語を聞いていますが、毎月このようなステップを繰り返してきましたから今が一番よく解かる日となっています。 私がここでいう英米語は私たちが外国語として学ぶ英語ではありません。母語英語です。つまり、日本人が普通に聞くNHKニュースを外国人が聞くようなもので、かれらの母語ニュースを外国人の私が普通に聞いて理解しようとしているものです。 昔、リスニングを始めたころは音にすら聞こえず白い霧の中に立ちすくんでいました。それがやがて濁流となり、小鳥の囀りとなり、小川のせせらぎとなりましたが、何一つ意味らしいものを脳に運び込みませんでした。それがこの12月22日にははっきりと情報として理解されるまでになりました。 この私のリスニング体験をまとめたものが、今年5月アマゾンから発行した拙著、『英語耳は中年からでも進歩する!』でしたが、 ほとんど反応らしい反応はどこからもありませんでした。  それがこの12月15日、ある地方のある女性から嬉しいメールが届きました。  それにはこのように書かれていました。 「『英語耳は中年からでも進歩する!』を読ませて頂きました。アマゾンにレビューを書かせて頂きました。(下記) 「(12/15)★★★★★単語と単語の間の空白を線にする。読む英語にある単語間の隙間空白が「小休止」ではなくなる過程が綴られている。そうなって初めて、英語の「流麗感や緊張」が感じられる。私には、最後には、英語の波、深海の中に、大きく口を開け流れてくる英語を自由に食べながら泳ぐ作者が見えるようだった。1秒に流れてくる英語の単語数なども書かれていて面白い。変わっていく自分を冷静に観察している。やっている人にはわかる感覚があるし、やり遂げた人にも、もう一度初心に帰ろうと思える本だ。」  私は、子どもの英語教室をこの地で開いております。できるだけ確かな方法で、近道で教え、後は時間と共に育てていく英語を、と思っております。ご本を読ませて頂きまして、日々のレッスンの中で気をつけねばならないことも見つかり、私自身も初心に戻れました。  レビューには書きませんでしたが、あれほど美しい英語で別れの挨拶がお出来になる中西様が、どうして英語が聞こえなかったのか、不思議でなりません。聞こえる過程を知りたいと思いました。ご本『私の英語遍歴』をお送り頂けましたら、幸いでございます。私にも、ご本の中と同じ感覚体験があります。途中からは中西様と違う道を辿りました。」  私は書くのと聞くのは大違い、書く場合はいくらでも時間が掛けられるが、聞く場合は、分速200語(3秒10語)を耳だけで即座に理解しなければならないからと返事しました。  次に以下の主旨の反応がありました、<教室の子どもたちに「ここは間を空けないで読んでごらん」と時々言っていたのを、中西様の御本を読んでからは、「間は続けて読んでごらん」と言うようになりました。必ず続けなさいという意味が簡単に伝わりました。また、子どもたちの文は短いのですが、時々日本語でその意味を私は伝えます。まだ小さいのですが、日本の学校英語に合わせて、I get up at 7.なら「私は7時に起きます」と言いがちですが、中西様の本を読ませて頂いて、「私が起きるのは、7時です」と言い続ける覚悟ができました。また、否定疑問文のところも、中西様のように説明すると、子どもたちは難なくわかるでしょう。本当にありがとうございます。  「人が英語を読むのを数秒聞けば英語力がわかる」とある人が教えてくれました。これも中西様の本のなかにありましたね。>  短時間で楽に英語ができると書かなければ本は売れないそうです。が、私は急がば回れ、インターネット時代、時間はかかっても若い時から耳を鍛え続けなければ本物の英語力は身に着かない、そう主張したいです。あなただけでなく明日の日本のためです。

『英語耳は中年からでも進歩する!』出版後3.5ヶ月後のリスニング感触  私が今年6月22日に出版した『英語耳は中年からでも進歩する!』(ペーパーバックス)の中で、「11.いよいよ完成に近づいた」、「12.FENリスニング完成、目標達成」(p76-77)と書いたのは今年5月3日の放送を聞いてのことだった。それからまた3.5か月が経過した。この8月初め頃からまたリスニングの感触に少し変化が現れ出した。それが顕著になったのはこの8月15日だ。その感触がまだこの身体に残っている間にメモにして残しておきたい。 この3.5か月の英米報道を振り返ると、世界的にやはりコロナの感染拡大が大きな話題だったが、東京オリンピックの話題も大きかった。それらに加えて、地球温暖化や異常気象による大規模な山火事発生や大洪水災害もあった。7月初め頃からはアフガニスタンにおけるタリバンの動きが報道され始めたが、8月入りで急展開を見せ、ついにこの8月16日、首都カブールが陥落した。 このようなニュースを連日2時間ほど聞いていると、報道の語句や文体、背景情勢に慣れてくるのだろうか。ぐっと理解度が進んだようだ。この半月間、日を追う毎に理解度が目に見えて上がってきたが、一体、脳内でどのような状態、どのような現象が起こっているのだろうか。 国際報道はだれにでも容易に理解できるものではない。英米語による国際報道は日本人にはまるで「ネコに小判」である。小判を小判として価値あるものと認めるにはネコがヒトに変るほかない。私はネコ、つまり日本人、それから英米人になることを選んだ。  ネコ(日本人)にも額(英語脳)はあるが小さい。ヒト(英米人)並みになるために実質20年近くを要したが、段々とそれができてきた。「基盤完成した」と見做したのが今年5月初めだったが、この3.5ヶ月で応用編も相当に進んだ。  基盤の上に応用も進んだこの時点であらためて英語リスニング理解とは何か、もう一度、私なりに定義してみた。 リスニング理解とは、ある一定時間内に、時間経過に従って、脳内に描く、ことばによる、アナログ的な、イメージの全体像である。 英米放送のアナウンサーが話す速度は分速約180語である。つまり秒速3語。一息にしゃべる言葉は約9語だ。一息を3秒として、1秒後、2秒後、3秒後と時間に従って脳内に形成される、3語、6語、9語のことばによる、アナログ的な(ぼわーんと広がる)画像の全体像である。  たとえば、次のような英文でどのようなイメージを描くか。   Chaos erupted at Kabul’s airport as thousands of Afgans/ were left uncertain of their safety and livelihood after /Taliban forces in Afghanistan occupied the capital city. . 3秒後  大混乱、起こった、カブール空港で、数千のアフガン人が 6秒後  残された、不確かなまま 安全と暮らしが、後 9秒後  タリバン勢力 アフガニスタンの 占領した 首都を これらのイメージが全体として意味ある画像として残らなければならない。 先に進むにつれて前を忘れるようではならない。 これができる前提は ① 音が音として聞こえなければ何事も始まらない。 ② 聴き取れた一語一語の意味が解らなければならない ③ 語間の関係や句節間の関係が結ばれなければならない。 ④ テニオハ関係がはっきりしなければならない。 ⑤ これら一切がきわめて速く処理されなければならない。 ⑥ すべての大意が(細部は忘れたとしても)記憶として残らなければならない。 私の過去3か月半の進歩はこの中の特に③と⑥が顕著であったと感じる。 ③語間や句節間の関係を結ぶのが糸だと考えると、その糸数が大きく増え、目が混んできたと感じる。 ⑥記憶に残るためには記銘度が強くなければならない。印象が強ければ強いほど記銘度は上がる。イメージが膨らめば膨らむほど言葉の印象度が膨らみ、記銘度が上がり好循環が生まれる。 さらにまた4か月が経つ今年年末のリスニング感触はどのようなものになるか今から楽しみである。

英語耳は中年からでも進歩する!

本年6月22日にアマゾン社から売り出した小生の紙の本「英語耳は中年からでも進歩する!」が、”英語耳”の新着ランキングで1000件以上あるうちの上位に来ています。嬉ことです。実物はこの写真です。

今日は2021年7月6日(火)、朝からベッドの中でジョー・バイデン大統領のアメリカ独立記念日(7/4)の演説を聞いた。普段の話しぶりと違って元気溌剌とした表情で、強いアメリカがまた戻ってくると力を込めていた。コロナパンデミックがワクチン効果で次第に薄れ、人の行動にも変化が出始めた、いよいよこれからだというのだ。このように相当程度によく聞き取れ理解できるまでになった。この理解の様をどう説明すれば、皆さんに、また後日の私に、今の私の理解状態が解ってもらえるだろうか。   ふとカラープリンターから出てくるカラー写真を思い出した。赤、青、黄のインクがしかるべくうまく混じり合えばきれいな写真が出てくるが、インクの一部でも不足すると妙な写真になる。またインクは十分でも複雑な絵をコピーしようとすると、インクの調合に時間がかかってなかなか紙が出てこない。この様が今の私の英語放送の聞き取り具合をよく表している。   私はカラープリンターだ。そして私の脳は赤、青、黄のインクであり、それらを調合する肝心な働きだ。インクの貯まり具合も調合する働き具合もすべて脳の神経回路のつながり具合にかかっている。普通のインクタンクと違うところは普通のインクタンクは減る一方、このインクタンクは増える一方だ。プリンターには原稿を置くガラス板がある。それに相当するのが耳だ。耳に外部から入ってくる情報を置き、スタートをクリックすると原稿が3色で調合される。この脳の場合、3色とは何だろうか。赤は音(発音)、青は文法(構文)、黄は知識(情報)だ。赤の音(発音)が聞き取れなければ何事も始まらない、しかし聞き取れてもそれが青の文法(構文)でうまく調理され、黄の知識(情報)で味付けされなければ、何を喰っているのか分からない。    さて、今の私のインクの貯まり具合はどうだろうか。長年の蓄えで赤の音(発音)インクは相当充満してきた。だから赤部分のコピーは相当進んでいるとみなしてよい。青の文法(構文)はどうか。簡単な原稿ならいいが、英語放送は複雑な絵をコピーしているようなものだから、構文処理に時間がかかりかすれたまま出るしかない。黄の知識(情報)はどうか。これは今からというところだ。これらのインクは独立に使われはしない。他のインクと調合しながら使われる。その調合を行っているプリンターの肝心部分が、脳でいえば前頭葉だ。この機能の全面発揮にはまだまだ時間がかかりそうだ。

私は今年5月30日にアマゾンの電子書籍で「英語耳は中年からでも進歩する!」を発行しました。また6月22日にはそのペーパーバックスも発行しました。(www.amazon.co.jp/dp/b0967zn42q ) 戦前生まれの私は学生時代から英語放送を聞きたい一心で色々試しましたが、どれも長続きしませんでした。そんな私が50歳も回ったとき、たまたま英語放送だけが聞けるラジオをみつけました。それがすべての物語の始まりです。長い長い旅路でしたが、この歳になって聞けるようになりました。その旅の模様を詩的にかつ論理的に語ったのが本書です。宣伝していただければいよいよ嬉しいです。